第4回 知的障害のしくみを学ぶ会
6月8日、二カ月に一度の貴重な学びの場に今回も参加してまいりました。
今回は「教育のしくみから実践へ~子どもとともに授業をつくる!」というテーマで、高知市立一宮小学校 知的障害特別支援学級担任 谷 雄二先生、千葉県立千葉特別支援学校 教諭 赤間 樹先生の生活単元学習の実践について学びました。
谷 雄二先生は、知的障害特別支援学級担任として29年の実績をお持ちです。今回は、「高知市の仲間との連携」をベースに、行った実践の数々をお話しくださいました。
仲間とは、高知市内で知的障害特別支援教育関係者の集まりで、実践をベースに高めあうことを目的とした「りぐる会」、高知市特別支援教育研究会、特別支援学級サポート事業、高知特別支援学校などとの連携を意味しており、さらに地域もまきこんだものでした。
赤間 樹先生は、前任校千葉県立印旛特別支援学校での実践「めざせ!アウトドアの達人」についてでした。赤間先生も、ご自身の人間力による人脈の豊かさをフルに活用なさって、大学の学生さんたちや野外教育の専門家と連携し、ホンモノを体験し、真の生きる力を育てる実践をなさいました。校内の協力も欠かせませんでした。平成28年度から今日まで毎年続けていることが、この実践の効果の高さを物語っています。
谷先生も赤間先生も、「教える、学ばせる」のではなく、生徒さん自らが「やりたい、学びたい」と思い、「わかった!できた!」を実感することが、生徒さんたちの意欲や将来への希望につながるということを語られました。
お二人が紹介なさった日課表にはどちらも生活単元学習の時間が帯状に組み込まれており、柔軟な解釈と運用を可能にするものとなっていました。生徒さんだけでなく、関係するすべての人が「今日に満足し明日を楽しみにする」日課表、「めあてを持った生活」を実現する日課表なのだと感じました。この教育のよき理解者とお二人の優れた人間性が可能にしたものと思います。
今後も増えていく通常学校内の特別支援学級。理解者に恵まれにくい環境かと心配ですが、もしかしたら志を共有できる、影響しあえる先生仲間が増えるのかもしれません。本年1月の日本生活中心教育研究会「土曜の会」で講演くださった宮城県松島町立松島第五小学校の上野 庸悦先生や今回の谷 雄二先生のような、特別支援学級教育のパイオニアが、各地においでになると思います。この「しくみを学ぶ会」に参加されたホンモノの先生がたが、それぞれの地で仲間を募り、生活中心の教育、生活単元学習、領域教科を合わせた指導を実践「できる状況」を作り、希望の光を大きな炎にしていってくださることに感動し感謝します。
続きますように 広がりますように
(有)ケーアンドエイチ 浅野眞理
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