第3回知的障がい教育の「しくみを学ぶ会」

2024年4月20日 第3回知的障がい教育の「しくみを学ぶ会」に参加させていただきました。

今回は「授業づくりの基礎を知ろう」

明治学院大学社会学部准教授の高倉誠一先生、放送大学客員教授の太田俊己先生、植草学園短期大学名誉教授の中坪晃一先生がお話しくださいました。

高倉先生は、知的障がい教育で大事にすべきこと、そしてできることを、法的根拠に基づいてお話くださいました。1966年、初めての「養護学校学習指導要領解説(精神薄弱教育)」で書かれたこととして、領域と教科の両側面から教育内容と指導法について激論が交わされたのちに、実際の指導形態は生活中心の教育、各教科を合わせた指導が統合された形で行われるようにすると結論されたことが記述されていると紹介なさいました。驚きました。1966年といえば、私は小学校2年生、学校生活に違和感を抱き始めたころです。求めれば解決策はあったのかもしれません。

太田先生は、知的の教育課程・実践の基本をお話くださいました。子どもの一番苦しいところは、理解力と判断力が弱いこと。学ばせるのではなく、一緒に体験して学ぶ中で子どもはどんどん育っていくのだと力説されました。それは幼児教育でも実践されていることだとおっしゃいました。シュタイナー、モンテッソーリ…本当にそうだとうなずきました。

最後に中坪先生が、まだ若かりし頃の実践のひとつをご紹介くださいました。「モクモクバッグをつくろう」単元です。写真のとおり、丈夫で質の高い製品です。学習指導計画に56年と書かれています。1981年、大塚養護学校高等部の木工班をご担当されたときのエピソードは、私も一緒にやりたかったと思う内容でした。回覧されたノートと製品から、生徒さんたちのワクワクや達成感、それに先生のうれしそうな顔が思い浮かびました。

3回の「しくみを学ぶ会」に参加して、「一緒にいること」「一緒に考えること」「一緒にやること」がどれほど大切で人を育てるのか、理解できた気がします。

今回もまた、「心を開いて、子どもに寄り添い、そして自分も楽しみながら」教育者としての実践を続けておられる特別支援の先生方に、深く感動した一日でした。

浅野眞理


有限会社ケーアンドエイチ

特別支援教育の先生の為の研修用書籍の出版、ヨーロッパより幼稚園・保育園の教具を輸入しております。

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